7月27日(金)に公開を控えた「劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」のリレーインタビュー連載。第5回目は、翔北病院のフライトナースの冴島はるかをを演じた比嘉愛未にインタビュー!
負けず嫌いで、少々口が悪い一面もあるが、フライトナースとしては、超優秀でその手腕は確か。ALS(筋委縮性側策硬化症)を患った元心臓外科医の恋人・悟史との死別の悲しみを経て、3rdシーズンでは、同じ救命センターの医師・藤川(浅利陽介)と婚約。だが、藤川との子を流産してしまうなど、度重なるつらい悲しい経験を乗り越え、ドクターヘリに乗り続けている。
皆さんの期待に応えられる作品になったと思う
――劇場版の完成をご覧になられて率直な感想は?
劇場版の撮影に入るときは、連ドラと同じメンバーに加え、スタッフさんもほぼ変わらない顔ぶれだったので、最初は映画という感覚があまりありませんでした。でも、完成した作品を見て、いい意味での“コード・ブルーらしさ”を感じましたね。
物語のスピード感にくわえ、映画館で見る醍醐味でもある映像の迫力とか、自分が作品に参加しているという感覚は、テレビのときよりも感じる部分がたくさんあったので、きっと皆さんの期待に応えられる作品になったんじゃないかな、と思いました。
――「コード・ブルー」は、人の心に訴えかけるような、直球的なセリフがたくさんあると感じたのですが、演じ手としてそういうセリフを発するときに、感じることはありますか?
振り返れば、作品の中にはすてきなメッセージがいろいろありましたね。自分自身、大切な言葉もありますし、台本を読むときにすてきな言葉だなって思うことが結構あるんです。そのたびに、どう言おうってまず考えるんですけど、結局はどう言おう、どう表現しよう、伝えよう…って押し付けに感じてきちゃって。そういうのをやめようっていつも感じますね。
でも、いつの間にか自然と思いが言葉に込められているんですよね。メンバーや医療チーム、患者さん役の方を目の前にすると、にじみ出ているというか。それぞれが演じる中で、メッセージを伝えているときって、私が客観的に見てても自然なんですよね。メッセージ性が強い言葉を強さで伝えてしまうと押しつけになってしまうんですけど、きっと寄り添っているからこそ染み渡るというか。その人の優しさだったり、リアルさが際立つ気がします。
鉄の女が、映画では笑顔を見せるまで成長した
――1stシーズンから10年という月日が経ちましたが、役柄として、またご自身として成長を感じられた部分はありますか?
自分自身の成長は…本当に分からないですね。多分、基本変わっていないと思います。沖縄の風がそのまま流れてるってよく言われるんですけど(笑)。成長って、他の人が見て感じることだと思っていて。
そういう意味では、私が演じている冴島は確実に大きく変わりました。人間として最初は鉄の女でした。プライドも高くて、強く生きるっていう女性だったけど、実はプライベートで、彼との別れだったり、いろいろな葛藤や苦しみを抱えていて、それがあったからこそ、痛みを経験して乗り越えて、周りにも支えられて、人間らしくなれたんじゃないかな。
それは、映画を見てすごく感じましたね。今まで笑顔もあまり見せなかった冴島が、映画では普通に笑っていたし、悲しいときは悲しさを出したり、喜怒哀楽がすごくはっきりしていて、私はそれを見ているだけで愛おしく感じましたね。これまで大変なことがあったからこそ、これからもっともっと幸せになれるはずだと思って。だからそういう冴島をみて思ったのは、私はもっと苦労して色々乗り越えなきゃ成長しないのかなって。でも“なんくるないさ”の気持ちを忘れずに、肩の力を抜いて、もっと大人になれたらなって思います。
――あらためて、この10年間を振り返っていかがですか?
初めて参加したときは20代前半とかで、何も分からずがむしゃらにお芝居をしていました。でもオンエアが始まって自分の予想を超える反響があって、1st、2nd、3rdと続けていくにつれて、どんどん演じてた冴島が役じゃなくて、見る方たちが本当に生きてる人と感じてくださり、影響受けて看護師になりましたと言ってくださる方に実際たくさんお会いしました。
そんな方たちにとっては、(ドラマの人物が)架空の人物じゃないんだって思ったとき、特に1stのときに役を演じる責任を一番感じました。だからたくさん、つらい思いもしたし、苦しかったし、でもそれと同じように楽しい、幸せな瞬間もありました。だからこそ他の作品に出演していても、「コード・ブルー」をたまに見返して、「原点に戻ろう」と振り返っていたりしました。
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働きながら看護師をやると思う
――今までが10年。そしてこれから5年後、10年後、15年後があったとしたら、どういうふうにいてほしいと思いますか?
個人的には冴島には赤ちゃんを産んでほしいと思います。現場もやりつつ、子育てもしそうですから。緋山(戸田恵梨香)にとりあげてもらって、藤川(浅利陽介)が半分主夫をやってるんじゃないですかね(笑)。温かい家族を築いてほしいなって思います。働きながら看護師さんをやっている方も実際にいらっしゃるので、冴島もきっとそうだと思います。
――最後に、比嘉さんにとって「コード・ブルー」はどんな作品ですか?
「コード・ブルー」は、どのシリーズもスペシャルも映画も、見返すとその時の自分自身や仲間たちのことを思えるので、すごくすてきな作品に参加できたなってあらためて感じますし、ずっと忘れたくない、宝物になった作品です。
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