2021年11月4日木曜日

オール広島ロケの映画「吟ずる者たち」5日公開:朝日新聞デジタル

オール広島ロケの映画「吟ずる者たち」5日公開:朝日新聞デジタル

オール広島ロケの映画「吟ずる者たち」5日公開

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 広島の日本酒造りの発展に貢献した東広島市安芸津町出身の酒造家・三浦仙三郎(1847~1908年)の情熱と、現代の酒造りに励む人たちの姿を描いた映画「吟ずる者たち」が11月5日、広島で先行公開される。酒どころの東広島市や竹原市など、全編が広島で撮影された。

 「吟醸酒の父」と呼ばれる三浦仙三郎は明治期に軟水による低温醸造法を開発した。広島の水は硬水に比べてマグネシウムカルシウムが少ない軟水がほとんどで、当時は酒造りに苦労していた。三浦は米を低温で発酵させて米の糖化を進める製法を編み出し、全国各地の軟水による酒造りの基礎を築いた。

 映画の舞台は、三浦(中村俊介)の元で酒造りに励んだ杜氏(とうじ)の子孫が継いだ酒蔵。ヒロインの永峯明日香(比嘉愛未)の実家だ。東京から故郷広島に戻った明日香は父が持っていた三浦の手記を読み、三浦の酒造りに対する思いに触発されて日本酒造りへの道を歩み始める。明治から令和へとつながる、酒造りに情熱を捧げる人たちの物語だ。

 10月20日に広島市であった記者会見には、竹原市出身の油谷誠至監督と広島市出身で三浦の妻を演じた俳優の戸田菜穂さんが登壇した。撮影は新型コロナウイルスの影響などで長期間にわたって中断した。油谷監督は「難産な映画だった」と振り返り、「広島県が生んだ三浦仙三郎という偉人の人生をしっかり感じてほしい」と語った。

 戸田さんは撮影で東広島市安芸津町のジャガイモ畑や、大崎下島(呉市)の御手洗地区の港町を初めて訪れた。「広島にこんなに良いところがあるなんて知らなかった」と驚き、美しい風景が印象に残っているという。「広島の方から見ていただけてうれしい。みなさんの心にお酒と同じようにしみていく映画になっているのではないか」

 映画は11月5日から八丁座(広島市中区)、T・ジョイ東広島、呉ポポロシアター、福山駅前シネマモードで公開され、全国でも順次公開予定。5日は比嘉愛未さんと中村俊介さんらがT・ジョイ東広島と八丁座で舞台あいさつをする。(三宅梨紗子、宮城奈々)

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