沖縄タイムス新年号に載ると一流スターになれる? 2000年から全19組を検証
2018年8月13日 13:13
「沖縄タイムスの新年号(芸能特集フロント)に載ると、みんな全国区の売れっ子タレントになるんだよ」。自慢げに話すのはインターン先で配属された沖縄タイムス社のデジタル部長だった。
「ほら、みんなすごいでしょう?」とドヤ顔で記事のコピーをずらり並べて見せた。
載っているのは2000年から2018年までの19組。仲間由紀恵さん、二階堂ふみさん、満島ひかりさんは映画やCMにもひっぱりだこの女優さん。タレントの山田優さんや山咲トオルさん、芸人のガレッジセールさん、いっこく堂さんも人気者だ。ミュージシャンではMONGOL800さんと確かにいいところを押さえている。
ただ、部長が言う「タイムスに載ったから全国区になった」は本当なのか? もしかして、元々売れていた人を取材したのではないか? われわれはタッグを組んで検証を始めた。
◆◆◆沖縄タイムス新年号の芸能面フロントを飾った面々
掲載年 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 |
名前 | いっこく堂 | ガレッジセール | モンゴル800 | 山咲トオル | 山田優 | 黒木メイサ |
2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 |
仲間由紀恵 | 比嘉愛末 | 与座重理久 | 二階堂ふみ | 千田愛紗 | 當山優奈 | 満島姉弟 |
2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
玉城ティナ | すず | 黒島結菜 | Anly | 安次嶺希和子 | 松田るか | ? |
インターンシップ生の丹羽(沖縄県出身)と佐々木(東京都出身)はともに21歳。おじさん記者たちにとっては一昔前の思い出かもしれないが、2000年といえばまだ赤ちゃんだし、どちらかというとテレビよりもネットが生活の中心だ。大変失礼かもしれないが、19組の中にはまったく知らないタレントさんもいる。
とにもかくにも手がかりを探すしかない。まず、編集局学芸部の天久仁記者に話を聞いた。新聞記者を逆取材だ。
天久記者によると、新年号ではそのときどきの旬の人か、これから伸びそうな人を取り上げているという。条件は「沖縄出身者」か「親が沖縄出身など沖縄にルーツを持っている人」だ。新年号を出した翌日の1月2日には、もう次の年に特集する人を考えるという。
天久記者は「たくさんの情報網を使うのが大事だ」と説明する。「100人以上いるタイムスの記者から情報を集めて決めている。だからいろんな情報を集めるといいよ」
デジタル部の研修らしく、ネットを使って調査した。
女優の黒島結菜さん(2015年掲載)はインスタが約15万で、ドラマやCMで活躍中。JTA(日本トランスオーシャン航空)のCMでは、歌手Anlyさん(2016年掲載)の曲で、松田るかさんが出演している。
女優の仲間由紀恵さん(2006年掲載)はドラマ「ごくせん」シリーズのほか、同年の大河ドラマ「功名が辻」に主演、その後も数々の作品に出演するなど日本を代表する女優に。人気ドラマで映画化された「コードブルー」にも出演している女優の比嘉愛未さん(2007年掲載)は、その年の上半期のNHK朝ドラ「どんと晴れ」で主演を務めた。
インスタグラムの1位はタレントの山田優さん(2004年掲載)で120万人。今年の大河ドラマ「西郷どん」に出ている女優の二階堂ふみさん(2009年掲載)は約100万人で2位。玉城ティナさんは約94万の3位で、SNS上でも多くのファンを獲得しているといえる。満島ひかり・真之介さん姉弟(2012年掲載)もそれぞれ約21万人と約31万人と人気だ。
ツイッターのフォロワ―数で見ると、一番多いのがモデルの玉城ティナさん(2013年掲載)さんの約106万人。次が女優の黒木メイサさん(2005年掲載)の約66万人、3位は2018年掲載の女優の松田るかさん(約14万人)。
19組のほとんどのタレントが何らかの功績を残し、全国や沖縄で活躍しているようだ。部長の言う説は正しかったのかもしれない。まだあまり有名じゃない人も、これから大ヒットする可能性はあると思う。
そこで、疑問が浮かんだ。なぜ、新年号で特集した人は有名になるのだろう。
学芸部の天久記者はこう語っていた。「まず、沖縄が人材の宝庫だっていうこともある。舞踊や民謡といった芸能の文化が強いからね。それに、安室奈美恵さんのように有名になった人が増えて、自分もなりたいと挑戦する人が多くなったこともある。僕らはそんな人たちを応援したい気持ちもあって、新聞で取り上げている」
そういう理由もあるのか-。大げさかもしれないが、天久記者の目には有名なタレントを見定める力があるようにも感じた。彼の頭の中には今、誰の顔が浮かんでいるのだろうか。来年の新年号が楽しみだ。
全国区のタレントになりたいという沖縄の皆さま。まずは沖縄タイムス新年号に載ることを目指してみてはいかがでしょうか。華やかな未来が開けるかもしれませんよ。(2018年沖縄タイムスインターンシップ生、丹羽、佐々木)
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