<コラム>『推しの王子様』第2話
イノウエくん、うっざーーーーーーーッ!!!
からの
水、ドッバーーーーーーッ!!
からの
イノウエくん「…え、何してんの?」
いやぁ~、最高でしたね!!
何が最高かって、あのシーン。もう令和だってのに、まだまだ平然と横行している、女性だけが"女社長"と呼ばれ、"女性だから"のその一点のみでやたらと目を付けられ、嫉妬され、抵抗できないだろうからと高をくくって一方的に傷つけられてしまう、そんなジェンダーとハラスメントの問題を強調し、問題提起した…ってのと同時に、その"女性"ということで恩恵を受けている部分もある…と自覚し、悩み、戦ってきたヒロイン・泉美(比嘉愛未)の鬱積が、あそこで一気に解放される、カタルシスを感じる場面だった!!……って、何言ってるの僕…。…なわけないよね!?(いっぱい辞書引いちゃったよ)
いや、もちろん、この第2話中盤でも描かれたヒロインの社長としての立場について…を経ての"水ドバ"だし、その直後のシーンでも、彼女のこれまでの葛藤が、航(渡邊圭祐)の飾らない一生懸命紡がれた一言によって救われる…っていう、二重のカタルシスを感じる、最高なシーンだった…ってのは、もちろんそうではあるんだけどさ、なことは後付けであってさ、あのシーンの秀逸さは、やっぱり、イノウエくんの、造形の素晴らしさだよね!!
抑えめな「…え、何してんの?」からの、激昂した「ふざけんなよッ!!!」という冷静と情熱!!そして、何よりあの線の細さ!!!体格は決して男性的とは言えないフォルムなくせして、やたら男性であることを誇示するかのようにデカい声出す、そんなチグハグ感が余計にイラっとさせたよね。それを見事に体現した池田良さん、ありがとう!!(だいぶ失礼)
で、その絶妙な"線の細さ"と、圧倒的な"器の小ささ"を(またしても池田さんに失礼)字面でも表現したいがために、"イノウエくん"は、カタカナで、"くん"呼びなわけですよ(意味不明)。そしてそれに加えて、これまた、前回同様"昭和のチンピラ"ワード「いい気になんなよ!」を、"指さし"させてまで言わせる演出、意地悪すぎるよな!!あの"指さし"があるのとないのとじゃ、イラ度、かなり違うかんね!しかもその"指さし"によって、イラーーー!!をMAXまで高めたその直後、"指さし"してるその態勢のまま、水ドバーーーなんだからね。線が細いイノウエくんが、水もしたたるいい"男"!皮肉!!うまい!!!(うまくないわ!)なことより、池田さん、好き勝手言って大変申し訳ございません。…でも、すっごく良かったってことだよ♡
で、ですよ(切り替え早い)。通常のドラマであれば、ああいう"水ぶっかけ"はグラスレベルで、せいぜいあったとしてもビールジョッキどまりなんですよ。だけど、それが、まさかの、そこにたまたまあったとはいえ、"水差し"でぶっかけちゃうもんだから、そんな大胆さを持つ航にはニューヒーローを感じたんですよね。
あそこまで腹立つこと言われて、指さしまでして脅してきた、その報いが、これまでいろんなドラマで散々こすってきた"グラスの水"ごときじゃ、視聴者、全然スッキリしない。だからこその、"水差し"ってのは当然として、それを迷いなく、カッコよく、しかも澄んだ目で、ドバドバぶっかけちゃう航というキャラクターに、新たな魅力を感じたんですよね。だって航は並みの男ではない、"王子様"なわけだからね。普通のラブストーリーの普通の青年では絶対ダメなんですよ。だからグラスじゃなく、ビールジョッキでもなく、大容量の水差しでぶっかけちゃう、とことんぶっかけちゃう!!のが、航というキャラクターってことなんですよ。そしてその布石の為に、航の"できない描写"が前半に描かれたってわけなんですよ。あの"できない描写"は、アホとか、常識ないとか、天然とか、そういう次元ではない、"育ちが違う"から読みとれる育ち=家庭ではなくって、国家感?とも言うんでしょうか(知らんがな)、そういう規模感、感じられたよね?みなさん?(みなさんを巻き込まないで)その国家の違い=スケールの違いを、"水差し"によって表現したわけなんですよね…(考えすぎて意味不明。そして多分違う)。
ま、その辺は僕の勝手な妄想だとしても(匙投げた)、普通であればただのアホ、もしくは天然で済ませられてしまう"できない描写"を、渡邊圭祐さんが演じることによって、得も言われぬただならぬ空気、纏ってませんでした?多分ただのイケメン俳優がやってたら「何この子、バカすぎてついていけない!」「こんなやつ会社にいたら一緒に仕事できない!」って、妙なリアルが自分の中に入ってきちゃって、共感できないところを、渡邊圭祐さんが航を演じることでそのリアルを持ち込ませない、アホなのになぜか高貴、お金ないのになぜか高貴、その辺で野宿しようともなぜか高貴という、謎の高貴感が漂ってませんでした?あれ、何?(知らんがな)
で、その、別の"国家"の王子として、航と全く別次元の高貴感を漂わせているのが、光井を演じる、おディーンのフジオカさまですよ!(お名前の隅々からも高貴感を出したくて失敗してる?)航が、社員のみんなからドン引きされるほど"できない子"だってのに、そんな社員たちに「キミたちだって最初はそうだったろう?」って諭すあのシーン。並みの上司が言ったら、「いくら最初とは言え、あそこまで出来ないわけないし!!」って一蹴されてもおかしくない、ちっとも説得力ない一言だったでしょう。だけど、フジオカさまの光井が言うことによって、なぜでしょう。「キミたちがこの世に誕生したその瞬間は、何もできなかったろう?」と聞こえてしまう…。生命の誕生、尊さ、アダムとイブまでをも想起させてしまう、荘厳な一言になってしまう…。そして、どうでしょう?社員全員がひれ伏してしまう程(ひれ伏してないけど)の説得力を持ってしまう…。で、そこから感じられる、航とは全く違う、高貴感…。あれ、まじで何?(知らんがな)
っとついつい、ピンポイントなところで立ち止まり、考えすぎてしまいましたが、そうは言っても、今回の何が一番素晴らしかったかって、泉美のツッコミ力ね!!(結局そこ)あんなに美しくって社長然としてて、その心得もちゃんとあって、クリエイティブとオタク精神も兼ね揃えてて、尚且つツッコミ力が高いってさ、泉美に敵う人いなくない!?僕だって、泉美さんにビジネスマナー教わりたかったし!!!!(これってジェンダー問題的にNGでしょうか?)
text by 大石庸平(テレビ視聴しつ 室長)
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