2020年9月7日月曜日

「どんど晴れ」比嘉愛未(1)“背水”のオーディション「一生分の運を使った」奇跡:イザ!

「どんど晴れ」比嘉愛未(1)“背水”のオーディション「一生分の運を使った」奇跡:イザ!

「どんど晴れ」比嘉愛未(1)“背水”のオーディション「一生分の運を使った」奇跡:イザ!

 NHK連続テレビ小説の歴代ヒロインに迫る大型連載の9月は、2007年前期の「どんど晴れ」に主演した比嘉愛未(34)が登場。初ドラマながら老舗旅館で女将(おかみ)として成長していくヒロインをいきいきと表現し、多くの視聴者の共感を得た。2156人が参加したオーディションで選ばれ、女優人生の基盤となった青春の日々を振り返る。

<< 下に続く >>

 「どんど晴れ」で演じた夏美がいたからこそ、私の役者人生がスタートしたと思っています。

 当時は20歳。高校卒業後、沖縄から上京して1年くらいモデルのお仕事とアルバイトをしながらチャンスをうかがっていた時期に来たのが、朝ドラのオーディションでした。私が女優になろうと上京を決意したとき、両親に猛反対されたのですが、諦めきれず土下座をして、1年やって駄目なら沖縄に帰る約束で許してもらいました。

 オーディションのときも「これが決まらなかったら、沖縄に帰らないといけない」と思って挑みました。でも、すごく力んで受けたわけではなく、東京でこんなに大きな機会をいただけたことが素直にうれしかった。

 ヒロインに決まったと聞いたのは(2006年7月5日に)NHKで発表会見をした3日前。最終審査に残っただけでも奇跡だと思っていたので、信じられなくて一生分の運を使ったなと思いました。沖縄の母にも電話をして2人で泣いて喜びました。あとでプロデューサーにうかがったのですが、私があまりに沖縄なまり全開で、あっけらかんとしているところが新鮮だったそうです。

 「どんど晴れ」は、横浜でパティシエの見習いをしていた夏美が、盛岡の加賀美屋に飛び込んで女将の道へと進むのですが、私は演技がほぼ未経験で、岩手県に行ったこともありませんでした。

 撮影に入る2カ月前から、役作りのために基礎的な芝居の稽古をし、女将の所作でお茶を習い、専門学校でお菓子作りを勉強しました。ただ、当時は役作りなんて考える余裕はなく、その場に立ってせりふを言うことだけで精いっぱいでした。

 10月にクランクインすると、演じるってこんなに難しいんだと葛藤する日々で…。でも、疲れたり落ち込んだりしたとき、夏美の前向きさや強さに励まされていました。頭で考えるのではなく、感じたままに動く夏美は私とよく似ています。夏美でなかったら選ばれていないと思うほど、思い入れが強い役でとても運命を感じていました。(13日付に続く)

■「どんど晴れ」

 横浜の実家が営む洋菓子店で見習いパティシエとして働く浅倉夏美(比嘉)が、婚約者の加賀美柾樹(内田朝陽)の実家である岩手・盛岡の老舗旅館へ飛び込み、伝統と格式の中で孤軍奮闘しながら若女将に成長する物語。引退した大女将を草笛光子、女将を宮本信子、父親役を大杉漣さん、母親役を森昌子が演じた。語りは木野花。2011年4月にはスペシャル版が放送された。主題歌は小田和正の「ダイジョウブ」。

■比嘉 愛未(ひが・まなみ)

 1986(昭和61)年6月14日生まれ、34歳。沖縄県出身。2005年、映画「ニライカナイからの手紙」で女優デビュー。07年前期のNHK連続テレビ小説「どんど晴れ」のヒロインでドラマ初出演&初主演。以後、フジテレビ系「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」シリーズなど話題作に出演。169センチ。



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