2023年10月11日水曜日

比嘉愛未〝育ての親〟へ16年ぶりの恩返し 映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」 - 産経ニュース

比嘉愛未〝育ての親〟へ16年ぶりの恩返し 映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」 - 産経ニュース

比嘉愛未〝育ての親〟へ16年ぶりの恩返し 映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」

東京、大阪などで順次公開が始まっている映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」(田中光敏監督)の主演女優、比嘉愛未(37)に話を聞いた。

比嘉は平成19年放送のNHK連続テレビ小説「どんど晴れ」のヒロインで注目され、以後「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」(フジテレビ系)や「大病院占拠」(日本テレビ系)などドラマや映画で活躍を続けている。

今回の映画は「親のお金」すなわち相続を巡り、家族や財産管理の弁護士らが巻き起こす騒動を描く。ハートフルでちょっぴりコミカルな作品だ。

映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」ⓒ2022「法定相続人」製作委員会
映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」ⓒ2022「法定相続人」製作委員会

「天外者(てんがらもん)」(令和2年)などの田中監督がメガホンを握り、同作でも一緒だった小松江里子が脚本を書いた。

比嘉の出世作「どんど晴れ」の脚本も手掛けた小松だが、比嘉にとって今回が、それ以来16年ぶりの小松作品だというから意外だ。

「あっという間に時間が過ぎました。プライベートでは交流が続いているのですが、改めて『ちゃんと作品を作ろう』とお声掛けいただきました」

平成15年にモデルとしてデビューした比嘉にとって「どんど晴れ」は初の主演作で、初めて本格的に演技をした作品でもあった。小松は、育ての親ともいうべき存在だという。

「あのときの恩返しをしたいという思いと、小松さんと田中監督が作り出す作品のチームの一員として頑張る覚悟を持って撮影に参加しました」

その田中監督とは初顔合わせだったが、小松から「比嘉ちゃんとは合うと思う」と聞かされていた。

「俳優に委ねた撮り方をされる。信頼してもらい、責任の一端を担って一緒に作品を作っている感覚になれました。また、撮影が始まると迷いを見せず、そのためストレスを感じることもなく、とても演じやすかったです」

映画は弁護士の城島龍之介(三浦翔平)がプロレスラーに追い回される不可思議なオープニングをへて、東京で働く大亀遥海(比嘉)が、母(石野真子)が亡くなり三重県の実家に帰ってくるところから始まる。

風光明媚(めいび)な伊勢志摩で遥海の父、仙太郎(三浦友和)は真珠の養殖を生業としている。遥海はある理由から父を恨んでおり、2人の姉ともぎこちない関係だ。

一方、通夜の席に現れた城島は大亀家の財産管理を行うことになったと伝える。やがて仙太郎が隠し持つとされる6億円の価値がある真珠をめぐり、城島と姉2人との争奪戦が始まる。

ほかに浅利陽介、小手伸也、山崎静代、田中要次らが共演し、コミカルな騒動を絡めた家族愛の物語が繰り広げられる。三重県がスペインのバレンシア州と姉妹都市であることからフラメンコを登場させるなど、〝ご当地〟映画としてのおもしろさもある。

「お金の問題って難しいので、シビアに描くと苦しくなるだけなんですよ。だから軽快さでバランスをとり、まるでジェットコースターのような作品に仕上がったんじゃないかな」

比嘉は、親の猛反対を振り切って芸能界に進んだという。強い反発心をエネルギーに換えて、芸能界の荒波を乗り越えたともいえる。いまは、あれは親から子への愛情だったと分かっている。そんな比嘉は、父親と対立する遥海に昔の自分を見た。

「家族の問題は、自分が素直になることで解決の道が広がるということを、遥海を演じることで再確認しました。この映画は、遥海と同じように悩んでいる人たちの背中をポンって押すような、『ああ、家族に会いたいな』って思えるような作品になっています」

(石井健)

ひが・まなみ 昭和61年、沖縄生まれ。平成15年にモデルとして芸能界に入り、17年に映画「ニライカナイからの手紙」で女優デビュー。19年にNHK連続テレビ小説「どんど晴れ」のヒロインで注目される。映画は「カノン」「先生! 、、、好きになってもいいですか?」など。NHK大河ドラマ「天地人」「DOCTORS~最強の名医~」シリーズ、「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」などドラマも多数出演。

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