2023年10月8日日曜日

天真爛漫な姿は今も…変わらないのに新しい比嘉愛未 沖縄魅力発信「世界自然遺産大使」やりがい - 日曜日のヒーロー&ヒロイン - 芸能コラム : 日刊スポーツ 2023/10/08

天真爛漫な姿は今も…変わらないのに新しい比嘉愛未 沖縄魅力発信「世界自然遺産大使」やりがい - 日曜日のヒーロー&ヒロイン - 芸能コラム : 日刊スポーツ





天真爛漫な姿は今も…変わらないのに新しい比嘉愛未 沖縄魅力発信「世界自然遺産大使」やりがい

女優比嘉愛未(37)が、三浦翔平(35)と映画「親のお金は誰のもの 法廷相続人」(6日公開、田中光敏監督)でダブル主演を果たした。16年前のNHK連続テレビ小説「どんど晴れ」のヒロイン役でテレビドラマ初出演。以降、映画やドラマなど数々の作品に出演している。そんな比嘉の今も見せ続ける変わらない顔、そして新しい顔に迫った。【佐々木隆史】

★天真らんまん

天真らんまんな姿は今も変わらない。「日曜日のヒロイン」に登場するのは、NHK連続テレビ小説「どんど晴れ」出演の際の07年5月以来。衣装の赤色の着物姿で満面の笑みを浮かべてピースする写真が掲載された当時の紙面を見せると「若~い!」と驚きつつも「今も楽しんでいるのは変わっていないので、この紙面を見て、それは良かったなと思います」と笑った。

映画は、真珠の養殖を営む大亀家からの申請で、家庭裁判所から成年後見人として認定された三浦演じる弁護士・城島龍之介が、自らの利益第一に行動し対立関係となっていく中、時価6億円といわれる伝説の真珠を巡る騒動が巻き起こり、家族と長年、疎遠だった比嘉演じる大亀家の三女遥海が帰郷し、渦中に巻き込まれていく。一見、難しそうなテーマだがハートフルな作品という。

「田中監督は『許しと愛がテーマ』とおっしゃっていて、まさに、だと思いました。私もそうですけど、親に対して許せないとか、トラウマだったりとか。それを捨てて素直になれて本当の親子関係。この作品は親の目線で子どもはこう苦しんでいたなとか、逆に子どもから見れば親はこういう風に思って一生懸命向き合っていたんだと。それぞれの目線で見られるので何度も楽しめます」

撮影は22年3~6月まで、三重・伊勢志摩で行われた。多忙な中も、マネジャーや出演者の浅利陽介(36)と鳥羽水族館へ遊びに行ったり、時間がある時は周囲をランニングするなど、伊勢志摩を満喫したようだ。ただ、印象深い思い出は、やはり作品の中だ。

「クライマックスでの父と対面するシーンで、撮影が終わった時に感情が高ぶって手が震えてしまったんですね。それを見た(父役の)三浦さんが、カットの後に手をぎゅっと握り締めてくれたんですよ。何も言わずに。その手から全部が伝わってきて。手のぬくもりが忘れられなくて。人としても先輩としても尊敬できる瞬間でした」

★自分通じる役

上京を機に疎遠となった三浦友和(71)演じる父仙太郎と、徐々に理解を深めていくところも見どころの1つ。そんな映画の家族の在り方は、まるで自身の家族のようでもあったという。

「高校卒業を機に女優になりたい、チャレンジしたいって親に言った時に大反対されて。反対を押し切って東京に出てきたんです。今でこそ克服しましたけど、その時の確執は、若いころはありました」

「どんど晴れ」出演が決まる1年前の05年に親の反対を押し切って上京。素直に応援の言葉をかけてくれなかった親への怒りや疑問などを抱えていた。しかし、その気持ちも徐々に変わっていったという。

「親に対する感情は大人になるにつれて客観的に見ることができました。親は親で私を守りたかったんだって思います。ちゃんと親側の目線になれると全部が許されるというか。なのでお互い、今はさらに親子関係が深化していって深い関係になっているし、無駄なことは何もないんだなって。あの時の反対があったから頑張れたし、親に甘えずに覚悟を決めたから今があると思います」

「どんど晴れ」でも脚本を務めて以来、公私でも付き合いが深い小松江里子氏が、今映画の脚本を務めたことも自身にとっては大きかったという。

「本当に親のように、姉のように見守ってくださっていて、本当の私を知っている小松さんが『愛未ちゃんにぴったりの役を作ったから』って。なのである意味、遥海は私に通ずるところがあって。ちょっと自分の過去を投影するようで怖かったですけど、あえてそこにちゃんと飛び込んでいきました」

★役者も大使も

時価6億円の伝説の真珠を巡るのにちなみ「もしも6億円が手に入ったらどうするか?」と聞いてみた。

「かっこつけているようですけど、ちゃんと本心ですからね…。うそ偽りなく言いますけど、自分に使いたくないです」

「その心は?」と思っていると話を続けた。

「私はもう1つやりたいことがあって、環境保護とか子どもたちへの支援だったりとか。そのきっかけになったのが、沖縄世界自然遺産大使というのに、今年任命していただきまして」

比嘉は地元・沖縄の世界自然遺産の魅力を国内外に発信する「世界自然遺産大使」に今年任命された。

「前の自分はお芝居に集中したいタイプでした。でも、高校まで生まれ育った沖縄の自然の中で得たものがいっぱいあって、その感性が今のお仕事に生かされているので、どこかで沖縄に還元したい気持ちがありました。これは1つのいいきっかけになるなと思って。お芝居という仕事は役を通じて人に勇気や希望を与えたりしますけど、大使の仕事や環境保護の仕事は自分の名前でありのままで伝えられる。とにかく還元できると思って、今はすごくやりがいを感じています」

活動は始まったばかりだというが、沖縄での関連イベントなどに参加してきているという。自然遺産だけではなく、米軍基地問題など、沖縄が抱えるさまざまなテーマを自身のことのように捉えている。「つまり、俳優と大使の二刀流ですか?」と問うと、きっぱりとした口調で語った。

「そう、多様性であっていいと思います。役者だから役者だけじゃなくて、『大使や慈善活動もしている比嘉愛未です』って。世の中的には副業もOKになってきていて、私たちだってそう。どっちの活動もどこかでつながると思いますし」

映画の話同様、もしくはそれ以上に熱く語り「やばい、熱くなりすぎた」とおちゃめに自分にツッコんだ。そのすさまじい熱量に、役者としても、大使としても、ますます目を離せなくなった。

▼脚本の小松江里子氏

天性の前向きな性格だけは「どんど晴れ」の時から変わらないです。時々、食事に行く仲なんですが、彼女は感情を直球で投げてくるタイプでそれが伝わってくる。何年たっても変わらないのは才能だと思います。次は声の仕事に挑戦してもらいたいと思っています。コロコロとスズが転がるようないい声なんです。容姿があまりにも美しいと映像だと見とれてしまうもの。それは役者としてはある意味もったいないことだと思うので、いろいろな声だけの役者もおもしろいなと思っています。

◆比嘉愛未(ひが・まなみ)

1986年(昭61)6月14日、沖縄県生まれ。03年から地元で広告モデルとして活動。05年映画「ニライカナイからの手紙」で女優デビュー。07年上半期のNHK連続テレビ小説「どんど晴れ」では、オーディションで2516人の中から勝ち抜いてヒロイン。09年、NHK大河ドラマ「天地人」出演のほか、15年に日本テレビ系「恋愛時代」で民放連ドラ初主演。16年映画「カノン」主演など、数多くのドラマや映画に出演。169センチ。血液型B。

◆映画「親のお金は誰のもの 法廷相続人」

「成年後見制度」の問題を描きつつ、時価6億円の値打ちがある伝説の真珠を巡る、ある家族の大騒動を軸に進む物語。比嘉、三浦のダブル主演で、映画「天外者」などの田中光敏監督がメガホンをとった。

07年5月20日付、「日曜日のヒロイン」に登場した当時(左)と同じポーズをリクエストすると、ちょっと恥ずかしそうにピースサインをしてくれた
07年5月20日付、「日曜日のヒロイン」に登場した当時(左)と同じポーズをリクエストすると、ちょっと恥ずかしそうにピースサインをしてくれた
 

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