2017年7月29日土曜日

20170724 山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介 ドラマ「コー ド・ブルー」が帰ってきた! (1/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介 ドラマ「コード・ブルー」が帰ってきた!  (1/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介 ドラマ「コード・ブルー」が帰ってきた! 

   

7年のときを経て主要キャスト5人が再結集(※写真はイメージ)

7年のときを経て主要キャスト5人が再結集(※写真はイメージ)

 最初の放送は2008年。10年にセカンドシーズンが続き、今回、7年のときを経て主要キャスト5人が再結集した。互いに「戦友」と呼び合い、過酷な現場と向き合う決意を語り合った。

──3rdシーズンが始まります。皆さんと顔をあわせて、どんなお気持ちですか?

山下智久:続編を求めてくれる方たちの声や、多くの人の協力があって実現したこと。まずは素直に感謝したいですね。

比嘉愛未:仕事場でみんなに会うのは、前シリーズが終わってから7年ぶりです。プライベートでは1年に1回くらいの頻度で「コード・ブルー会」を開いて会っていたんですけどね。その席ではいつも続編の話をしていたから、本当に実現できてうれしいです。

戸田恵梨香:新シーズンのスタートが決まってから以前の映像を見直しているのですが、最初の放送のころの自分って、いま見るとだいぶ恥ずかしいな、と……(笑)。

比嘉:わかる。みんな20歳前後ですよね。あのころって、大人でも子どもでもない年齢ですしね。

新垣結衣:私は、ちょうど撮影中に、20歳の誕生日をお祝いしてもらいました。今回も、撮影に入ってから誕生日を迎えました。ある意味、自分の成長をこの作品に見守ってもらっているような気がします。

●「戦友」がしっくりくる

山下:キャスト5人がこの7年間、それぞれ懸命に活躍を続けてきて、今回も誰一人欠けることなく同じメンバーがそろった。これは、本当にかけがえのないことだと思っています。

比嘉:私はずっと、みんなの活躍が気になっていました。同じ現場で共演できることはなかなかなくても、「今度はあの映画をやるんだ」「あの作品に出るんだ」と、みんなの情報は必ずチェックしていたんですよ。この「コード・ブルー」という作品を通して「仲間」意識が芽生えたから。いつもみんなのこと、陰ながら「がんばれ!」って応援してました。

戸田:みんなの活躍は本当に心強いです。自分も頑張ろうって思えるから。

山下:過酷な撮影の日々を一緒に乗り越えてきた仲間だから、僕にとっては「戦友」という言葉がぴったりきますね。

浅利陽介:うん。わかる、わかります。すごくしっくりきますね、その表現。

新垣:そう、ただの友達や仲間じゃなくて「戦友」! 

比嘉:精神的にも体力的にも、つらい撮影がたくさんありましたよね(笑)。

●リアルに限界を超えた

戸田:またあの日々が始まるのか……。私、全力で走れるかな(笑)。スピード感がある展開だけに、現場での撮影はとても大変でした。ただでさえ医療用語がたくさん出てくるのに、処置の手数や段取りの多さも、なかなかこたえましたよね。
新垣:現場に入ったら、自分の記憶力が心配かも。あの難しい医療用語をまた覚えられるかな、と。前の2シーズンを見返したら、「よくこんな難しいセリフ言えたな」って感動する場面がいっぱいありました。

比嘉:よく頑張ったよね。本番中、みんなで見守りながら「よし、言えた!」って一緒に喜んだりしてましたよね。

浅利:覚えてる? あのトンネルのシーンの撮影。キツかったよね……。暑いし、閉鎖された空間の中でずっと、お芝居とはいえ血だらけの患者さんの処置ばっかりしていて、気持ち的にもしんどくなっちゃって。

山下:現場のあちこちで、精根尽き果てたみんながゴロゴロ眠ってたよね。

比嘉:そうそう、ずっと暗闇の中にいたから、時間感覚もまひしてきて、いまが昼なのか夜なのかわからなくなって。

戸田:トンネルを出たら、本当に朝で、びっくりしたことを覚えてます。

浅利:このドラマの撮影中は常に興奮状態だから、眠れないし、オンとオフの切り替えが難しかった。

山下:救命の方々は実際に、極限状態の中で人命救助をされているわけだけど、僕らもリアルに「限界を超えた撮影をしているな」と感じるときがかなりあったと思う(笑)。

●後輩に背中を見せる

──前作から7年がたちました。ご自身を含め、5人が変化したと思うことはありますか?

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新垣:1st、2ndシーズンもそうだったけど、私たち5人の関係って、ドラマの中の役柄の関係性とすごく近いものがあると思うんです。ライバルであり、仲間であり、戦友であって、それぞれの年齢と役柄が絶妙にリンクしていますよね。7年前は、若手の役者として撮影現場でジタバタしているリアルな姿と、研修医という役柄が合っていたけれど、今回は後輩に指導する立場だから、作業に慣れて周りを見渡せる余裕を出していかないといけない。何年も経験を積んできた自信がにじみ出るような演技ができたら、と思っています。

山下:この7年の間に自分自身も後輩と一緒に仕事をする場面が増えたし、自然と、自分のことだけじゃなくて彼らのために何かしたいと思えるようになった。もちろん僕自身、まだまだ未熟な部分はあるけれど、この間に少しは成長できたと思うから、いままで積み重ねてきた人生を「コード・ブルー」の「藍沢」という役柄に込めていけたらと思っています。

浅利:そうだね。今回は藍沢先生と後輩医師の絡みとかが面白いんじゃないかと思います。「天真爛漫(らんまん)すぎる後輩に振り回される武骨な藍沢」という図ですよね(笑)。

比嘉:私たちの年代って、役者としても役柄としても、大先輩と若手の後輩たちの間に挟まれているのかもね。1stシーズンの頃の柳葉敏郎さんや勝村政信さんの気遣いが、いまになって身に染みることが多いです。お二人が私たちにしてくださったように、私たちも背中で後輩にいろいろなお手本を見せないと! 今回は私が、現場の空気を和らげるムードメーカー役をやろうと思ってます(笑)。

全員:えっ(笑)。

浅利:いや、始まったときからずっとそうだから!

戸田:ホント、初めからあなたがムードメーカーです!

比嘉:不思議と私の周りで面白いことが起きることが多くて。私も大人になって、みんなを笑わせる腕を磨いたから、いまならちゃんと、ムードメーカーになれます! こういう生死を扱う作品には、メリハリも必要だと思うので。

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新垣:確かにそうですよね。あの頃はずっと処置室にこもりきりで、煮詰まってくると柳葉さんや勝村さんが笑わせてくださった。おかげで一気に雰囲気が和んで、撮影がスムーズに進んで。今度は私たちがその役割をやらなくちゃ。

山下:当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなかったことを、7年たったいま、感じられるようになったよね。ありがたいことです。

戸田:先輩と後輩に挟まれた私たち5人がどう変化し、成長していくのかも、今回の大きな見どころ、ですよね。

山下:僕ら自身もこの7年間、それぞれが違う現場で戦って、「代表作」と言えるものを手に入れることができました。それって素晴らしいことだと思う。その5人が胸を張って再集結して作るドラマですから、僕自身もとても楽しみにしています。

●役に向き合って緊張

──「コード・ブルー」という作品は、みなさんの役者人生にどんなものをもたらしたのでしょうか。

戸田:役者としての「スタートライン」を与えてくれた作品ですね。「役作りってこういうふうにやるんだ」とか「コミュニケーションってこう取るのか」とか、役者としての土台を教えてもらった現場でした。この作品だったからこそ、役者としてきちんとしたスタートが切れたんだと思っています。今回、いただいた台本で私が演じる「緋山(ひやま)」という役柄と久しぶりに向き合って、ちょっと緊張してしまいました。正直なところ、また彼女に戻れるのか、ちゃんと演じられるのか、不安も感じていて。再び彼女を演じられるうれしさも懐かしさもあるけれど、緋山という役は私の役者人生を切り開いた大切な役だから、また本気で向き合うのだと思うと、どうしても緊張してしまうんです。
新垣:その気持ち、すごくわかります。私にとってこの作品は、いい意味で役者としての課題を与えてくれる存在だと思う。新シーズンをやるということになったいまも、単純に「よかったね、楽しみだね」だけの感情では入っていけません。いいタイミングで、自分にとっての課題をはっきりさせてくれる作品が巡ってきたと感じます。そして、全編を通してすばらしいセリフが多いのも、この作品の魅力。生きていくうえで「出合えてよかった」と思える言葉たちにめぐり合うことができた。今回も、そういうセリフとの出合いを楽しみにしています。

浅利:7年前の僕は、「みんなの中で自分が一番実力がない」と感じていました。その劣等感が役柄とリンクして、等身大で演じられた部分が大きかったと思います。いまもやっぱりみんなはすごいわけだけど、自分も一つ一つ積み重ねてきた自信があるから、今度は肩ひじ張らずに演じたい。「藤川」という役柄とずっと付き合う中で、僕自身も大きく成長できました。

●みんな勝ち残ってきた

山下:僕が藍沢という役を演じることを通して教えてもらったのは、苦しみや葛藤、成長、そして希望という言葉の意味です。成長し続けるためには、苦しみもがき続けなければならないし、学び続けなければ希望はやってこない。

 いま、新しい台本を読んでいるところですが、やっぱり今回も、藍沢と向き合って悩み続けているし、役者として学び続けているなと実感しています。これは、何かを成し遂げようとするときには必ず繰り返さなければならないサイクルなのかなって。挑戦し続ける気持ちは、この作品を通して学ぶことができたものだから。藍沢の、どんなに苦しんでも絶対に負けない精神力の強さは、自分が仕事をするうえでもとても刺激になっています。

 今回、再び集まることができた5人は、それぞれが違う現場で戦って、ある意味勝ち残ってきた素晴らしい役者ばかり。経験値を積み重ねて強くなった5人の背中を後輩に見せつつ、新たな作品の魅力を切り開いていけたらと思っています。

(構成/ライター・まつざきみわこ)

AERA 2017年7月24日号

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